オルバースのパラドックスという
太陽がないから暗いんでしょ?星が遠過ぎて光が見えないんでしょ?なんて思う人がいると思いますが、そんな単純な話じゃないんです
これはオルバースのパラドックスと呼ばれ何世紀にもわたりようやく解決された矛盾なんです
僕らが普段、夜空を見上げた時、星が輝いていますが
宇宙には星が無限にあります。
それらは数え切れないほど宇宙に散らばっています
ここである疑問が、『なぜ星は無限大にあるのに、夜空は星で埋め尽くされないのか』
考えてみればそうなんです
天文学者は何世紀にもわたりこの疑問に悩まされてきましたが、その結果はとてもロマンがあるものでした!
仮説も踏まえてわかりやすく説明していきますのでぜひ最後まで読んでください
![](https://hiroshinoheya671217292.wordpress.com/wp-content/uploads/2020/11/img_1982.jpg?w=766)
仮説①遠くの星は光が弱いから見えない
例えばマッチに火をつけたとします
その光はすぐ近くならば目視できますが、スカイツリーの上からそのマッチの光をみようとしても、ほぼ見えないでしょう
これは光が分散してしまい、元々弱い光は距離があることによって目視できなくなるためです
これなら感覚的にもわかりますし、16世紀(1501〜1600年)の人はこの光の分散によって光が弱くなってしまい、遠くの星の光は見えないという説に納得しました
しかし!
この仮説は18世紀の天文学者の理論によって否定されてしまいます
その名はジャン=フィリップ・ロワ・ド・シェゾー
彼はいろいろな計算をしました。すると
いくら弱い光でも、それらの弱いは集合体となり、一つの光のようになって夜空は結局どこを見渡しても明るくなる
そんな結果になってしまいました
だって皆さんが普段見ているテレビやスマホだって、液晶に写っているごくわずかの光が集合体となって映像を作り出しているわけですから
それとおんなじことですよね
わずかな光でも、無限大の宇宙に無限の星の光があれば、テレビを見ているみたいに夜空は明るくなってしまう
オルバースのパラドックスを肯定する結果になってしまいました
仮説②障害物があるから見えない
次の仮説は宇宙にあるチリやガスが星の光を遮っているという説です
この説を唱えたのはヴィルヘルム・オルバースです
オルバースのパラドックスの語源の人です
これはとてもわかりやすい説ですね
曇りの日は太陽が見えないのと同じで、星の光がチリやガスによって遮られてしまう
しかしこの説も程なくして崩壊してしまいます
それは「熱エネルギーの行き場」の説明がつかないということです
どういうことかというと
いくらチリやガスで遮ったとしても、恒星の光に熱され続ければいつかはそのチリやガス自体も熱を持って光ってしまうというものです
また一からやり直しです
仮説③星の光はまだ地球に届いていない
やっと説明がいく仮説が出てきました
それは20世紀になってからの話です
説を唱えたのはエドウィン・ハッブル
そう、ハッブル宇宙望遠鏡を開発した人です
「遠くの星の光はまだ地球に届いていない」
当時まだちゃんと理解できていなかった僕は疑問に思いました
「遠くの星の光がまだ地球に届いていないのならば、そのうち夜空は明るくなっていくということ?」と
いろいろ調べてみたら違いました
ハッブルは宇宙が膨張していることに気づいた人です
この宇宙の膨張の速さは光を超えるスピードなんだそう
今あなたが夜空を見上げると星があるわけですが、その星の姿は今の姿ではなく
何年も前の姿だったりするのです
よく光までの距離のことを◯光年って言いますが、これは光が届くまでに何年経つのかを表しています
例えば冬によく見るオリオン座の左上にベテルギウスという赤い星があります
もうすぐ爆発するって噂の
そのベテルギウスの距離は642.5光年で
光が地球まで行くのに642年かかるってことです
つまり、今見ているベテルギウスの姿は、実際には642年前の姿ということになります
何が言いたいかというと
僕らが観測できる星は140億光年離れた星までで、それ以上離れた星は観測できない
ということです
つまり、宇宙が生まれてから140億年しか経っていないので、それ以上遠くの星は観測できないんです
できないというよりは、観測するまでに時間がかかるという感じです
もし、140億年前の星の光が地球に届いたとしても、その星はその頃には450億光年先にまで離れてしまっています
まっていれば星で埋め尽くされるの?と考えるかもしれませんが
観測できる星が少しづつ増えても、寿命を迎えてしまう星も同じくらいの量があるので
夜空は星で埋め尽くされることはないでしょう